「デジタル加飾のトレンド&事例情報」総集編1/3:JETvernishユーザー事例のまとめ
2025-07-16 :デジタル加飾業界情報


2020年7月よりお届けしてきました記事では、MGI JETvarnish 3Dデジタル加飾機を導入した印刷会社の事例全81件を紹介致しました。これらの企業は、特殊なニス加工や箔押しを施すことで、印刷製品に高い付加価値を与え、競合他社との差別化を図っています。また、デジタル加飾を活用し、小ロット生産におけるコスト効率の良さや顧客体験の向上といった具体的なメリットをとおして、印刷業界の新たな可能性を切り開いています。
これらの事例を以下の項目に沿ってまとめましたのでご覧ください。
・業種、導入機種、主な用途
・導入の理由・課題、主な効果・提供価値


1.事例ユーザーの業種
事例ユーザー総数81の企業が属する業種とその数は以下の通りです。複数の業種にまたがる企業もあります。
• 商業印刷 : 36社
• 印刷仕上げ加工/製本 : 12社
• デジタルプリンター : 9社
• パッケージ印刷 : 8社
• ラベル印刷 : 5社
• オンライン印刷/ネット印刷通販: 4社
• 書籍印刷 : 5社
• パッケージ・プロトタイプ制作: 1社
• 各種ICカード製造 : 1社


2.各社の導入機種
• Accurioshine 3600 : 15件
• MGI JETvarnish 3D One : 6件
• MGI JETvarnish 3DS : 32件
• MGI JETvarnish 3DL : 5件
• MGI JETvarnish 3D Evo : 19件
• MGI JETvarnish 3DW : 5台
• MGI AlphaJET : 1件


3.主な用途
MGIデジタル加飾機は、多岐にわたる目的と用途で導入されています。
- 印刷製品の付加価値向上と差別化
◦ デジタルスポットUVコーティング、デジタル箔押し、3Dエンボス加工による視覚的・触覚的効果の付与: 光沢、メタリック感、エンボス感、触覚的な3D効果を追加し、印刷物に「ワオ!」という印象を与えます。これにより、印刷物が棚に並んだ際に顧客の目を引き、手に取ってもらうきっかけを作ります。
◦ 高付加価値製品の提供: これまでの印刷物では表現できなかった高級感や質感を加え、製品全体の価値を高めます。
◦ 市場での差別化: 競合他社との差別化を図り、独自のサービス提供を可能にします。


- 生産効率の向上とコスト削減
◦ 小ロット・短納期対応: 従来の加飾では困難だった、数枚から数千枚といった小ロットの印刷物にも、迅速かつコスト効率良く加飾を施すことができます。
◦ 高価な金型やスクリーンの不要化: デジタルプロセスにより、従来の箔押しやUVコーティングに必要だった金型やスクリーン、高価な工具の購入費用や製作時間を削減します。
◦ 廃棄物削減と作業柔軟性の向上: メークレディに必要な枚数を大幅に削減し、廃棄物の減少に貢献します。また、作業の柔軟性も向上します。


- マーケティングと顧客エンゲージメントの強化
◦ パーソナライゼーションと可変データ印刷: 可変データフォイリング(VDF)技術やバリアブルデータエンベリッシュメント(VDE)により、1枚ごとに異なる文字や画像をパーソナライズして印刷することができ、個別対応のプロモーションや招待状などに活用されます。
◦ 触覚を利用したセンサリーマーケティング: 印刷物に触れることで、記憶保持や情報への感情的な関連性を高めるといった神経科学的な研究結果に基づいて、五感に訴えるマーケティング戦略に活用されています。
◦ 顧客とのコミュニケーションを強化する魅力的な印刷物制作: ダイレクトメール、招待状、パンフレット、名刺など、顧客との接点を増やすための魅力的な販促物制作に貢献します。
◦ プロトタイプ・サンプル制作の迅速化: 新しいデザインのパッケージや販促物の試作品・サンプルを迅速かつ低コストで作成できるため、顧客への提案やテストが容易になります。


- 新たな市場・顧客の開拓
◦ パッケージング市場への参入と強化: 化粧品、食品、医薬品などの高級パッケージング分野において、デザイン性やブランドイメージを向上させる手段として導入されています。
◦ 視覚障害者向けアクセシブルパッケージの実現: CyR.U.S.システムのように、視覚障害者が触覚で製品を識別できるよう、3Dシンボルやエンボス加工されたQRコードをパッケージに追加する用途にも活用されています。
◦ 顧客ベースの拡大と新規ビジネス獲得: 新しい加飾サービスを提供することで、既存顧客からの再注文率を高めたり、これまで外注していた仕事を内製化して新規顧客を獲得したりする機会を創出しています。


- 環境への配慮
◦ 廃棄物削減、溶剤・電力消費削減: 従来の印刷工程と比較して、廃棄物の削減や溶剤・電力消費量の低減に貢献します。
◦ 脱墨性の向上: 環境に配慮した製品を求める顧客の期待に応えるため、インキやニスの脱墨性も考慮されています。


4.導入理由(共通傾向)
多くの企業は、競争が激化する市場において自社のサービスを差別化するため、また、顧客が求める高級感、独自性、そして触覚的な効果を持つ高付加価値製品のニーズに応えるために導入を決断しました。従来の加飾方法が抱える小ロット生産における非効率性、高コスト、柔軟性不足といった課題を解決し、外注依存から脱却して内製化することで、生産効率と品質管理を向上させ、新たな収益源を確保するという戦略的目標もありました。さらに、常に最新技術を取り入れ、業界の先駆者としてイノベーションを追求する姿勢も重要な動機となっています。


5.解決課題(共通傾向)
導入により解決された主な課題は、既存のデジタル加飾機器の活用不足や、それに対する営業チームの消極性、および価格設定の不透明性や非効率性でした。また、複雑なデザインや短い納期に対応することが困難だったクリエイティブ上の制約が解消されました。外注による高コストや納期の長期化、品質管理の困難さは、内製化によって克服されています。市場の小ロット・多品種・パーソナライズ化といった要求への対応力も大幅に向上しました。


6.主な効果(共通傾向)
導入後の主な効果として、多くの企業で収益の顕著な向上と利益率の増加が報告されています。これは、提供できる製品のブランド差別化に繋がり、新たな市場機会の開拓と新規顧客の獲得を促進しました。また、生産効率が大幅に改善され(セットアップ時間の短縮、自動化、廃棄物の削減)、これにより短納期対応や顧客満足度の向上を実現しました。


•7.提供価値(共通傾向)
この技術が提供する主な価値は、従来の印刷では不可能だった視覚的・触覚的に魅力的な高付加価値印刷物(3Dニス、エンボス箔、質感表現など)の提供です。 さらに、版や型を必要としない完全デジタルワークフローによる柔軟な小ロット生産や可変データ印刷への対応は、顧客への高度なカスタマイズとパーソナライゼーションを実現しました。これにより、競合他社との明確な差別化という競争優位性が確立され、コスト効率の改善と環境負荷の低減にも貢献しています。一部の企業では、物理とデジタルを融合する「フィジタル」体験の提供といった革新的な価値も生み出しています。


詳細については各々の事例をご覧ください。
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