米国NAPCO USA社のドミニク氏とフランク氏が語る、デジタル加飾のデザインとオペレーション

2023-04-13 :MGI情報紹介(Taktiful The Digital Embellishment Show 2022引用) 

米国Taktiful社のケビン・アバジェル氏が、NAPCO USAのフランク氏とドミニク氏に、デジタルパッケージングの世界で克服したデザインや運用上の課題についてインタビューしたYouTubeの書下ろしです。

NAPCO Alabama社概要

所在地:米国アラバマ州ビンセント

業種: パッケージ印刷

設立: 1947年

従業員: 52人

MGI JETvarnish 3D Evo75設置: 2020年

10

The Digital Embellishment Show

NAPCO事例1

ケビン: 今日は特別に2人のゲストをお招きしています。 ドミニク・ザイダンさんとフランク・デイウリスさんです。ドミニクさんには、ナプコがどういう会社なのか、少し説明していただけると思います。またお二人にはデジタル加飾に関してそれぞれデザインの立場から、またオペレーターの立場からも、この2つの部門がどのように相互作用しているのかをお聞きするのがとても楽しみです。まず、ドミニクさんからお願いします。あなたの経歴や仕事について、少し教えてください。

NAPCO事例3

ドミニク: 私は1987年にここに入社しました。当時はVulcan Information Packagingという会社で、最初はグラフィックアーティストとして働きました。その後、プリプレス部門を統括するようになり、マーケティングを担当するようになりました。だから、いろいろな役割を担っています。

ケビン: でも、ほとんどがデザイン的な観点でしょう?

ドミニク: 主にデザインと、プリプレスを監督して、フランクや他の印刷部門のためにファイルを準備します。

ケビン: ではフランク、あなた自身と普段の仕事について少し教えてください。

フランク: 私はデジタル部門のリーダー的存在です。MGIシステムの主要オペレーターであり、KMやコーター、ラミネーター、そしてスクリーン印刷部門のバックアップも行っています

NAPCO事例6

ケビン: デジタルプリント、デジタル加飾、スクリーンプリント、その他にどんなものがありますか?

フランク: ソフトタッチや水性などのフラッドコーティングを行うためのコーターがあります。また、小型のラミネーターもあり、プレス加工やラミネート加工、スクリーン印刷など、いろいろなことができます。

デジタルパッケージングと小ロット

ケビン: あなた方は、主にパッケージングを手がけているのですか?NAPCOの仕事もそのようなものが多いのでしょうか?

フランク: その通りです。 私たちは、バインダーやその他のものをたくさん作っています。しかし、これからはパッケージングに重点を置いていきます。

ケビン: つまり、デジタルパッケージングに関して、あなたたちは本当に未来の印刷会社のような存在なのですね。多くの人がそれについて話しています。あなた方は実際に進んでいるのです。

フランク: デジタル加飾とデジタルプリントを使えば、50万個や10万個の注文をする必要はなく、小ロットのパッケージングが可能になるのです。少量でも高級品と同じように見せることができます。

ケビン: 早速ですが、フランクさんに質問です。パッケージングにおける小ロットとは、どのようなものでしょうか?そして2つ目の質問は、誰が今小ロットの箱を買っているのでしょうか? どのような企業でしょうか?

フランク: 実は、私たちは多くの医薬品のビジネスを行っています。我々の場合、生産数量数十万箱に対し、数千箱が小ロットです。そのため、1枚に14枚の面付をして1,000枚単位で生産ということもあります。小さい箱が好きなんです。また、限定版のようなものはたくさんあります。例えば、高級バーボンのように、限定品で特別なイベントのためだけに1600個の箱を用意することもあります。あるいは、パッケージの冬のマーケティングピースのようなものを作りたい場合もあります。そのようなものです。

ケビン: では、早速ですが、ドミニクさんに質問です。ドミニクさんは、プリプレスを担当し、マーケティングの多くを担当し、デザインの多くを担当していますね。実機を理解することは、あなたにとってどれほど重要なことなのでしょうか?

ドミニクです: とても重要なことです。私は長年、ゼロックスのデジタル印刷機や現在のKM、MGIで小ロットのスクリーン印刷を行うなど、加飾部門と非常に密接に仕事をしてきました。デザイナーとして、これらのマシンの能力と、私たちができることを理解することは、本当に重要です。そして、時には困難なプロジェクトを持ってくる外部のデザイナーにも、それを伝えるようにしています。私たちは、基本的に解決策を見つけるために参加します。私たちの印刷能力を知り、その知識で装飾することで、デザイナーに指示を出したり、彼らが思い描いたものよりもさらに良い結果をもたらす解決策を見つけることができます。

デジタル加飾に関するクライアント教育について

ケビン: では、ドミニクさんには別の質問です。今おっしゃったことをそのまま引用させていただきますね。あなたはクライアントを導こうとしています。では、実際にクライアントを教育する機会はどれくらいあるのでしょうか?それともあなた方は「私に任せてください」と言うことが多いのでしょうか?

ドミニク: 私たちは、ある注文を手にしたときに、お客様が思い描いていたものと別の方法を見つけ、そのことをお客様に伝えることがあります。これは、あなたがもともと思い描いていたものです。しかし、私たちが提案できる、より良い解決策がここにあります、と。また、すべてデジタル化されているため、実際にデザインそのものを提案し、少し手を加えて、特定の作品を飾るための別の方法を示すことができます。外部のデザイナーとの会話は、私たちが誘導したり、提案したりできるので、早い段階で行うのが効果的です。そこで、デザイナーがアイデアを練っているときに、早い段階で話をすることを大切にしています。その典型的な例が、後ほど紹介するバーボンボックスです。このバーボンボックスについては、後ほど紹介しますが、早い段階で、お客様がもともとやりたかったことを話し合いました。しかし、それは機材的にほぼ不可能でした。そこで、私たちは変更と微調整、そして提案を行うことで、より良い最終製品に仕上げることができました。

ケビン: とてもクールですね。フランク、質問させてください。正直に言ってください。よくファイルが送られてきて、「こんな風にしてくれればよかったのに」と思うことがありますよね。あなたは、ファイルが送られてきたとき、ドミニクに戻って、「みんな、入稿データをもう少ししっかり作ってくれ」と言いますか。それとも、ドミニクにすべてのネッティングを任せているのでしょうか?オペレーターとして、グラフィックアートやデザイン面を理解する必要性についてお聞かせください。

フランク: 幸いなことに、私はグラフィックデザインのバックグラウンドを持っていました。グラフィックデザインとフリープレスを始め、その知識を買われてマシンを動かすようになったんです。特に、MGIのインターフェイスは、機械上でファイルを編集する際にPhotoshopと非常によく似ているので、そのようなことを知らないと、従来の印刷機のオペレーターがデジタル機に乗り移ったときに、また同じようなことを学ばなければならないのです。しかし、可能なことを知るだけでも、機械の仕組みやニスを塗る方法を知ることができます。特に、グレイスケールの画像や、さまざまなレベルの画像を作成する場合は、その背景を知る必要があります。ドミニクができることも知っていますし、仕事中にちょっと手を加えたいと思ったときに、自分でやってみることもあります。Macで作業して、変更を加えて、新しいファイルを送ることもあります。

ケビン: 従来からある、スクリーンを焼いたり、金型を作ったりする方法と比較した場合、フランクさんは、その場で自動的にすべての変更ができるようになるまでに、どれくらいの時間がかかったのでしょうか。また、オペレーターの立場から、装置をスムーズに動かすための学習期間はどのようなものだったのでしょうか?

デジタル加飾システムの習得期間について

フランク: 2、3ヶ月くらいでしょうか。すぐに理解できましたが、実際に使ってみるとわかるのですが、いろいろ使って慣れることが必要です。機械やプレスがないときに、K1のオペレーターにファイルを印刷してもらって、実際に使ってみて、何が可能かを確認しました。そして、どれだけ微調整ができるか、あるいは、私が望むような立体的な外観を得ることができるか、あるいは、どんなことが実現できるかを確認しました。とにかくたくさん使い倒しました。

ケビン: それは素晴らしいことです。私が世界中で見つけた最高のオペレーターは、多くの場合、そのようなメンタリティを持っています。そして、そのような仕事をすることで、その裏側からいかにクールなものが生み出されるかということに、ほとんど驚きを感じながら取り組んでいるのです。ドミニクに話を戻します。デザインプロセスに参加することはよくあることだと思いますが、デザインプロセスに参加しようとしても、そのプロセスではすでに仕事が決まってしまっていることがあります。ブランドと話すとき、販売プロセスに参加することはよくありますか?何が可能か、何が不可能かを知りたがっているとき。それは、あなたが関与することなのでしょうか、それとも、可能なことの限界を理解するために、営業担当者を教育することなのでしょうか。

ドミニク: 営業担当者のサポートや教育という側面が強いと思います。何年も前から、新しい営業担当者を迎える際には、トレーニングプロセスを経て、当社のプロダクションがどのような能力を持ち、何がより効率的であるかを説明しています。最終製品がお客さまの満足のいくものであること、そしてお客さまのご予算に合ったものであることを確認することができますから、私が販売の初期過程に携われば携わるほど、私たちの部門にとっては良いことです。

マシンデモについて

ケビン: あなたたちは潜在的な顧客にデモをしたりするのですか、それともそれはしないのですか。あなた方は今、そういうことをする時間がないのでしょうか?

フランク: それほど頻繁ではありませんがデモしています。よりハイエンドな顧客と取引する場合や、より大規模な生産であれば、デモ作業を行ったり、自分の知識のために、できるだけ頻繁にデモを行うようにしています。その機会に「この人たちが求めていることは、こういうことなのか」「どうやったらうまくできるのか」と、いろいろ試してみます。しかし、私たちは、もう少し多くのことをやろうと思っています。デモ以外、何かを売り込むようなスペックアートのようなものを、もう少し増やそうとしています。

ケビン: 一度顧客になってもらえると、ずっとリピートしてくれることを期待できますしね。でも、この質問は、加飾を手がけるさまざまな印刷会社からよく聞かれるのですが、問題は、デモや試しをする時間がもうあまりないことです。最初のうちはあるかもしれません。しかし、忙しくなり始めると、機械が一杯になってしまうのです。ある意味、もう遊ぶ必要はないんです。マシンがフル稼働になれば、ミッションが達成されるわけですから。

プルーフについて

話を替えてプルーフ(校正)の話をしましょうか。皆さんはお客様にどのようにプルーフするのでしょうか?ハードプルーフを送るのでしょうか?デジタルプルーフを送るのでしょうか?皆さんにとってベストプラクティスは何ですか?

フランク: 私たちは常にハードプルーフを送ります。私たちは関係なく、すべての仕事に対してPDFプルーフを送ります。そして、私たちの標準は、相手が放棄しない限り、すべてのデジタルの仕事にはハードコピープルーフを送ることです。実際に見てみないと、どんな仕上がりになるのか、自分が求めているものなのかがわからないですから、プルーフを渡すようにしています。

ドミニク: そして、すべてのデジタル機器を揃えて持つことのメリットは、お客様に実物でプルーフを見せることができることです。 昔、私たちが行っていた伝統的な校正は、実際の印刷物ではありませんでしたが、今はすべて、実際のCMYKプリントに加飾を施したものが、最終的な制作物なのです。

ケビン: そんなことができるなんて、あなた方はびっくりしましたか?

ドミニク: 私のように、長い間ビジネスに携わってきた者はともかく、若い人たちにとっては当たり前で、今やプロセスの一部でしかありません。

ケビン: そのメンタリティの変化の早さには驚かされますね。加飾された作品のハードプルーフを標準として送ってくる人がいるのを聞くと、もうびっくりしちゃいますね(笑)。フランク、どう思う?

フランク: 特に箔押しの場合は凄いことだと思います。従来の箔押しの場合、版を作らなければならないので、その費用と時間がかかります。1つ作るのにかかる時間と、それを変更するのにかかる時間、そしてそのプロセスをすべてやり直さなければならない。だから、本当に大変だったんです。

デジタル装飾について学んだこと

ケビン: あなた方は本当にすべてを対策していますね。この1年間で、デジタル装飾について学んだ最大のことは何ですか?

フランク: 私たちがいつも言っていることのひとつは、「Less is more」です。プロセスを複雑にしすぎたり、ページ全体にニスを塗りたくったりしてはいけません。繊細なことをするのです。そして、私が言いたいのは、従来のやり方ではできないようなことをすることです。彫刻のようなニス。彫刻のような箔を貼る。スクリーン印刷された作品にニスを塗ることはできないような、ちょっとしたポップさを出すのです。

目立つようにする、触感を大切にする、手を伸ばして製品を触りたくなるようにする、凹凸を感じられるようにする。それが最大の魅力であり、感動を与える要素だと思います。

ケビン: 間違いない。限界に挑戦し、何ができるかを見る。ドミニクさんはどうですか?この1年、デジタル加飾について学んだことは何ですか?

ドミニク: できることが無限に広がるんです。以前は、デザインのバックグラウンドがあったため、色分けや従来の箔押しではできることが限られていました。長い時間とコストがかかる作業でした。箔押しやデボス加工は、金型代やコストがかかりますが、今は想像できるものなら何でもできます。短時間で。そして、本当に素晴らしい製品を作ることができます。だから、デザイナーとしては、特に昔のやり方を経験してきた私にとっては、とても素晴らしいことです。

ケビン: そして、自分の限界を知ることも重要だと思います。しかし、そのプロセスに精通していない多くの人々、おそらくあなたのクライアントは、どこまでそれを押し進めることができるのか、どんな素材を使うことができるのか、どの素材が他よりも良く見えるのか、といったことを教育される必要があるのです。しかし、もしあなたが自分の生活を簡単にできるのであれば、なぜそうしないのでしょうか?なぜそこに行かないのか?それが、人々が注目すべき重要なことのひとつだと思います。フランクがバーボンのボトルの話をし続けるなら、まず第一に、そのボトルの中にバーボンは入っているのか?そして2つ目、説明をしてください。

高級バーボンの箱について

フランク: ええ、それについては少し話すことができます。というのも、これは議論するのに適したもので、実はドミニクがこの最初のステップだったのです。デザイナーが企画段階でドミニクと話をして、「どうしたらいい?どうすればいいんだろう?そして、この製品が完成し、運用を開始するまでの間に、良いことがありました。箔を貼って、その上にニスを塗るのではなく、彫刻のような箔を貼って、その上にニスを塗れば、もっと簡単だし、お客さまも少しはお金を節約できるのではないか、という話をしました。これはバーボンの箱です。ナッシュビルで開催されたレースのための特別仕様でした。この会社は音楽業界の会社で、レーシングチームとパートナーシップを結んでおり、何か特別なものが欲しいということで、出発前にいろいろと相談しました。いいものを作ってあげようって。

NAPCO事例9

ケビン: では、そのバーボンの箱を詳しく見せてください。カメラの前に持ってきて、あなたが行った様々なパーツと、この箱のどこが厄介だったかを見せてください。なぜこれが難しかったのでしょうか?

フランク: ラップのため、紙が想定より少し薄かったこともあります。だから、印刷機の制限の中で、彼らにとって最もポップなものを作ろうとしたこともある。例えば、一番上に写っている車のように、箔押しが必要だったんです。そして、その上にニスを塗り、彫刻を施し、テクスチャーやデザインを表現することを望んでいました。そして、箔を貼ったニスの上にテクスチャを貼れば、もっと簡単になることがわかったのです。この仕事では、ライブプレスチェックを行い、実際に印刷中の様子を見ながら、その場でアートファイルや印刷機に手を加えました。そして、ニスも同じです。私が何かにぶつかったら、それを彼らに見せて、こうしたらどうだろうかと言うのです。そして、その場でライブで変更することができるんです。実際に見てもらうのです。

ケビン: それはとてもクールですね。

ドミニク: この作品は、お客様が私たちの工場に来て、実際にプレスチェックを行い、MGI工程を行ったものです。フランクがファイルを受け取った後、私たちは多くの微調整を行い、いくつかの発見をしたことで、金箔と車を達成することができました。

ケビン: そして、これはリジッドボックスですね。デジタルリジットでしょ?

フランク: 内側は、ボトルを入れる部分があります。中の製品のサンプルはもらえませんでした。中身を入れたフルボトルの郵送を恐れていたのです。

ケビン: フランクさんのクリエイティビティは理解できました。デジタル加飾印刷機を初めて使う人に、何かアドバイスがあれば教えてください。

フランク: 私の考えは、マシンの限界までの機能を活かして売るということです。なぜなら、本当に素晴らしいことができるからです。できる限り限界に挑戦してください。

ドミニク もしデザイナーがデジタル装飾やプリントについて知っていたら、ぜひ私のようなデジタル加飾の制作に携わっている人間に連絡を取ってみてください。プロジェクトの初期段階で話し合うことができれば、私たちが彼らを導いて、彼らにとって最高のものを作り上げることができます。

ケビン: 私はデザイナーにデジタル加飾を見せられたらいいな、と思っています。モニター画面に映し出されたものでは、必ずしも良いもの、悪いもの、あるいはどちらともいえないからです。しかも、いつも結果は同じとは限りません。このようにしたら、ニスが広がってしまう、このようにしたら、高さが出せる、このようなことが起こる、ということを理解しなければならないこともあります。ラミネートやインク、紙の違いによって、ニスの流れや広がりが変わることを理解するのです。だから、デザイナーがプレスに来る機会があれば、何ができて何ができないかを理解するために、プレスで時間を過ごすことができるのは、本当に嬉しいことです。

それでは、素晴らしいディスカッションをありがとうございました。また、このような場を設けていただけることを楽しみにしています。

原文(YouTube)はこちら

###

For more info http://www.mgi-fr.com