7日間にデジタル加飾で10万枚印刷。いったいこの会社はどうやってやったのか?
2021-01-28 :MGIケーススタディ紹介(数字印刷記事2020-10-29引用)
上海の天偶印刷社はコロナ禍の逆風の中で困難に立ち向かい、会社発展の新たな機会を模索し、デジタル加飾機VETvernish 3Dを導入しました。
上海天偶印刷社(Tianou社)概要
所在地:中国上海
業種: 商業印刷
設立: 2001年
従業員: 50人
MGI JETvarnish 3D設置:2020年10月
JETvarnish 3D用途:红包(お年玉袋のようなもの),カレンダー、パッケージ印刷など
CTP の出現は従来のフィルムの生産を置き替え、デジタル印刷技術の出現は製版および印刷の従来の印刷プロセスを再編成し、小ロット、小バッチ、パーソナライズされカスタマイズされた印刷を可能にしました。
デジタルポストプレスの効率性を向上させる技術の出現はパーソナライズされた、小ロット注文の生産を実現するだけでなく、印刷やパッケージされた製品に絶妙な加飾でより高い芸術的な価値を与えます。
近年、印刷技術では印刷・パッケージ製品の差別化が難しくなり、競争の激しい市場環境の中でいかに生き残っていくかが各企業の大きな課題となっています。その中でデジタル印刷後処理の効率化技術が向上し、製品の応用範囲が広がりつつあり、デジタル加飾市場は徐々に熱くなってきています。
多くの印刷会社は、この技術を利用して、企業の技術的な障壁や製品の優位性を作り出そうと躍起になっています。今日は「デジタル印刷」誌の記者が、デジタルポストプレス技術を利用して差別化戦略を展開している小規模ですが美しい印刷会社-上海天偶グラフィック印刷有限公司(以下「天偶印刷」)を紹介します。
名刺機1台からオフセット印刷機2台+デジタル後加工機2台へ
2001年、嘉志華氏(天偶印刷の社長)は小さな名刺機を持って天偶印刷を設立し、印刷業界に足を踏み入れました。努力の末、この名刺機を使った名刺ビジネスで成功しました。わずかな初期資本を蓄積して始めたビジネスですが、嘉志華氏は名刺を作ることだけでは満足しませんでした。
市場も変化し顧客も増えてきたので、ビジネス印刷に参入しました。2006年、天偶印刷は最初の4色オフセット印刷機を導入し、印刷事業に専念しました。2015年、天偶印刷は2台目のオフセット印刷機:5+1色フォリオ印刷機を導入しました。
この生産機を購入したことで、天偶印刷は急速な発展を遂げました。「天偶印刷は20年近く発展し続けています。製品の品質にこだわり、天偶印刷ブランドを構築し、高レベルの顧客サービスを提供し、高品質の製品を製造しています。」と嘉志華氏は言っています。
また、嘉志華氏の製品品質へのこだわりと顧客への責任ある対応のおかげで、化粧品、金融、アパレル、食品、医療、工業製品などの分野で優良顧客を獲得してきました。
2018年、革新と冒険を好む嘉志華氏は、デジタルポストプレス機器を導入し新たな挑戦を始めました。これにより印刷後処理の効率を高め、デザイナー、ブランドオーナーや伝統的な商業顧客に比類のないデザインスペースを提供し、製品に重みを加え、差別化を構築し、製品の付加価値を高めるられるようになりました。
2020年、新型コロナの影響を受け環境が厳しくなっていましたが、天偶印刷は逆風の中で困難に立ち向かい、産業発展の新たな機会を模索していました。
そして2020年10月、上海で開催されたAll-in-Print China(印刷機材展)の期間中、天偶印刷はJETvarnish 3Dの設置を発表し、同社とコニカミノルタでテープカット式を開催しました。テープカット式で嘉志華氏は次のように述べました。
「私たちはコニカミノルタと手を組み、ビジネスの新しい章を開くことになりました。これは、当社の事業の拡大とアップグレードだけでなく、この困難な時期を乗り越える自分たちのためのエールでもあります。」
カニを一番に食べよう
天偶印刷の発展は常にトレンドに沿っており、嘉志華氏の戦略的ビジョンと学習、コミュニケーション、共有への意欲と切っても切れない関係にあります。「Drupa 2016で見たデジタル技術は私に衝撃を与えました。それが印刷であれ、ポストプレスのデジタル技術であれ、私に新しいブルーオーシャン市場を見せてくれました。」 と嘉志華氏は語ります。
デジタルトランスフォーメーションとしてデジタル印刷機器を導入する従来の商業印刷会社とは異なり、嘉志華氏は製品の品質と効率性の向上にもっと注意を払うため、デジタルトランスフォーメーションの焦点をデジタルポストプレスの効率性の分野に置きました。
「現時点では、デジタル印刷後の効率化装置を導入している国内企業はまだ少ない。その間に早く市場をつかみ、実績を上げ、自社製品や技術的な壁を作っていきたい」と期待を寄せています。「私たちはカニを食べるのは初めてです。カニにかじられるかもしれませんが、カニの美味しさを味わうことができるかもしれません。」
JETvarnish 3D
JETvarnish 3Dは、2020年9月5日に工場に入り、組み立てとデバッグを行い、10月8日に正式に生産を開始しました。10月14日の除幕式の時点で、わずか7日間で10万枚の加飾した紅包(紅い封筒:お年玉袋のようなもの)が完成しました。
嘉志華氏は「この10万枚の加飾した紅封筒は、市場とコニカミノルタへの私達からの最高のお返しです」と笑顔で語りました。「機器を迅速に通常生産できる理由は、コニカミノルタ機器エンジニアの24時間体制と切り離せないものです。私たちのためにあらゆる問題を解決し、きめ細やかで思いやりのあるサービスを提供してくれています。」
取材当日、JETvarnish 3Dは、赤い封筒一枚一枚に “メイクアップ “しながら高速で稼働していました。サンプルを引っ張り出してみると、デジタル加飾技術の視覚的なインパクトを実感できるだけでなく、製品にリアルなタッチを加え、製品の付加価値を高めていることが確認できます。
JETvarnish 3Dは、革新的なAIスキャンシステム、ソフトウェアスイート、タッチスクリーンインターフェースを搭載しており、新たな視覚的次元へと導き、高精度な表面の艶出しや見事な3Dレリーフ効果を実現することができます。JETvarnish 3DとiFOILの有機的な組み合わせは、独特のワクワク感を生み出し、市場の他の類似製品との差別化を積極的に求めるバイヤー、ユーザー、ブランドオーナーを惹きつけることができます。
ショートラン印刷、低廃棄物、サイクルが短い、便利で使いやすい、バリアブル印刷、グリーンと環境保護…すべてがMGIのデジタルポストプレス装置で実現できています。
サッカーチーム、セーリングチーム、天偶印刷の人々は幸せに働き、健康に過ごしています
天偶印刷は大家族のようなもので、嘉志華氏は家長として、従業員の仕事と健康的な生活を支援しています。従業員の余暇活動を充実させるために、嘉志華氏はサッカーチームとセーリングチームを結成し、定期的にトレーニングや大会を開催しています。2019年、天偶印刷サッカーチームは南通インターシティ招待大会に参加し、また「ハッピーサッカー夢見るロングマーチ」ロングマーチタウン第3回従業員サッカーゲームに参加しました。セーリングチームは2019年ビジネススクール春季セーリング招待大会に参加しました。
従業員も定期的に登山 , 夕食などの活動を行います。豊富なレジャー活動は、天偶印刷の誰もが家庭の暖かさを感じることができます。「私たちの従業員の平均年齢は約35歳、非常に安定しています。」 と嘉志華氏は誇らしげに語っています。
今後について、嘉志華氏は率直に「パッケージに重点を置く」と語ります。「パッケージは製品の必需品として、市場では見栄えや品質に対する要求が高くなっています。デジタル加飾工程はバリアブル印刷ができ、環境に優しく、小ロット対応も可能です。同社の利点は、市場の発展傾向に沿ったものであり、今後も長期的な発展が期待されます。」「そのためには、私たちとコニカミノルタのような責任ある技術サプライヤーが協力して、業界の進歩と繁栄を促進することも必要です。」
###
For more info http://www.mgi-fr.com