感動を呼ぶ印刷物を作成する(1/2)

2021-04-15 :MGIケーススタディ紹介(NAPCO Researchのレポート引用)

会社紹介

アメリカの酪農地域の中心であるウィスコンシン州サセックスにあるカラーインク社は、ウェブサイトで自社を「Cow of a Different Color 変わった色の牛」と表現しています。 以前は家族の酪農場だった土地にある家族経営の印刷会社が際立っているのは、顧客のニーズを満たすための革新とデジタルトランスフォーメーションへの取り組みを継続させていることです。 その中でも特に優れているのが、お客様に充実した印刷機能を提供することです。本レポートでは、カラーインク社がどのようにオペレーションを進化させ、お客様に提供するサービスを拡大してきたのか、また、注目を集め、お客様を驚かせるような加飾や特殊効果を組み込んだデジタルプリント製品を提供してきたのかを詳しくご紹介します。

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カラーインク社について

同社は1984年、ジム・マイズナーがグラフィックデザインのビジネスに商業印刷サービスを加えて設立しました。現在、従業員数74名、年間売上高1,600万ドル(約17億円)の同社は、創業者の息子であるトッド・マイスナー氏が社長を務めています。トッドの息子であるオースティン・マイスナーが、セールス&購買マネージャーとして補佐しています。カラーインク社は、105,000平方フィート(約9,755平方メートル)の生産スペースを持つ2つの建物で操業しています。

同社は、飲料市場と、ファッション、フットウェア、コンビニエンスストアなどの幅広い小売業顧客をターゲットにしています。 POP材料は重要なサービス提供分野であり、同社はクリエイティブで、しばしば複雑な製品で、大部分が小ロットというこの市場セグメントの顧客ニーズを満たすことに優れています。 カラーインク社が生産するその他の主要製品には、小ロットの包装のプロトタイプ、紙器、看板、およびダイレクトメールが含まれます。

デジタルトランスフォーメーションが成功をもたらす

カラーインク社は、業界の劇的な変化やテクノロジーの変化の中でビジネスを成功させてきた企業の一例です。。 同社はグラフィックデザイン会社としてスタートしましたが、顧客により良いサービスを提供するために印刷に移行しました。 同社は、オフセット印刷機での商業印刷物(カタログ、ダイレクトメール、価格表)の印刷から始めました。 商業印刷物の仕事が減少し始めると、同社はサービス提供を拡大し、デジタル印刷機への投資を開始しました。 同社の顧客の多くは小売市場と飲料市場にサービスを提供していたため、同社は製品ミックスにサインディスプレイのグラフィックスとPOPパッケージを追加しました。

堅実な技術投資に支えられたColor Inkの継続的なビジネス展開が、会社を成功へと導いた。

商業印刷市場の経済性が変化し、カラーインク社が追求したい市場では小ロット印刷需要が増加していたため、マイスナー氏は同社のオフセット印刷機を小ロット印刷に適したデジタル印刷機に確信を持って置き換え始めました。現在、残っているオフセット印刷機は小森リスロンだけです。同社の装備品には、Agfa Jeti 1台とIncaワイドフォーマットデジタルフラットベッドプレス2台、Fujifilm J Press 720S枚葉インクジェットプレス、Komori Impremia IS29枚葉UVインクジェットプレス、 MGI JETvarnish 3DデジタルスポットUV加飾システム、Highcon Euclid IIIレーザーカッティングマシンが含まれます。

同社はデジタルトランスフォーメーションのおかげで、収益は過去25年間で最も良好で、小ロットプロジェクトでの競争力が増したとマイスナー氏は述べています。同社のビジネスは約60%を占める小売業向け印刷物が基盤となっています。しかし、展示会関連印刷物や、POPやプロトタイプのパッケージ、および小ロットや短納期、また加飾等により顧客の投資対効果を最大化する印刷が求められる分野で新しい機会が開かれてきています。

マイスナー氏は、同社の発展を振り返って、「デジタルベースの生産ソリューションへの技術的な転換により、小ロットプロジェクトでの競争力を更に高めることができました」と言っています。

次のフロンティア: 加飾印刷

カラーインク社は、今日のデジタル印刷機や後処理機が特殊効果や加飾などで印刷物に価値を提供できることを好機として認識し、印刷物を価格重視のコモディティ商品からプレミアムな高価値製品に変換できる機器に投資してきました。同社は、提供するすべての印刷アプリケーションに加飾を施すために、MGI JETvarnish 3Dデジタル加飾機を購入しました。この機器は3Dエンボスニスや部分ニスコートと箔押し加飾を、1枚でも数千枚でも行うことができます。

印刷サービスプロバイダーには、デジタル印刷機または後処理機で生成される特殊効果で装飾または加飾した印刷物を顧客に提供することで売り上げを拡大する機会が増えています。印刷技術や後処理ソリューション、素材が継続的に進歩しており、新しい方法で印刷の力と価値を高めることが可能になっています。スポットカラー、クリアコーティング、特殊色、色域拡張、テクスチャ効果、箔押しなど、印刷成果物に付加価値を与えるための多くのオプションがあります。

NAPCO Researchは、Specialty Graphic Imaging Association(SGIA)、MGI、およびコニカミノルタの後援により「デジタル印刷へ付加価値を」というタイトルの、デジタル印刷に価値を付加する技術の使用を促すキイとなるトレンドや市場に影響力のある人々を明らかにする調査を実施しました。調査は、印刷を購入および/または影響を与えるさまざまなタイプの印刷プロバイダーとブランドオーナー/マーケティング担当者を対象に包括的に実施されました。

図1: 印刷業者の加飾印刷技術に関する知識

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調査によると、印刷プロバイダーの回答者の3分の2は、加飾印刷に使用される特殊効果技術に精通しています(図1)。 印刷プロバイダーの回答者の3分の1は加飾印刷技術を使用しており、別の19%はそれを使用する予定であり、14%はそれを認識しているが使用する予定はないと報告しています。 回答者の3分の1強は加飾印刷技術に精通しておらず、加飾技術のサプライヤーはそのメリットについて市場を教育する余地があります。さらに、デジタル印刷を提供する印刷プロバイダーの回答者のほぼ半数がデジタル印刷を特殊効果で加飾し、さらに23%が追加する予定と回答しています。

マイスナー氏によると、「当社が印刷機能の強化に乗り出したのは、お客様から価値の提供を求められたからです。 誰でも印刷はできます。が、わが社のすべてのお客様に共通するテーマは、数多くある中でも他より際立って目立つ印刷物を求めていることです。」

競合力のある差別化と主な利点

競争力のある差別化が、加飾印刷を提供することでカラーインク社が得られる非常に大きな利点です。マイスナー氏は、「以前は価格面で他社と競争していましたが、これらの非常にユニークな機能を提供することにより、競争相手がいなくなったケースもあれば、競合を劇的に減らしたケースもあります」と言っています。

彼は、顧客にデジタル印刷の加飾機能を提供することで、価格単価を高め、マージンを回復できたと述べています。

マイスナー氏は次のように述べています。「30年前、私たちは主に印刷用紙上の2次元グラフィックスにより創造性を提供しました。 現在、私たちのクリエイティブソルーションには、より多くの構造設計、3次元、場合によってはユニークな素材や生産方法、加飾等が含まれます。」

サンプルが可能性を実証してくれる

カラーインク社には、デジタル印刷と加飾印刷の価値を実証するプロジェクトの例が数多くあります。 MGI JETvarnish 3Dを「サービスミックスへの信じられないほど付加価値」と呼んでいるマイスナー氏は、この装置をデジタル印刷およびレーザーカッターと組み合わせることで、カラーインク社が受注獲得に活用できる「ワン・ツー・スリー・パンチ」のような能力を発揮すると述べています。 同社は、ニスと箔を使用したときに何が可能になるかを説明したアイデアの本を含む「アイデアの箱」と呼ばれるものを作成しました(図2)。 マイスナー氏は、加飾印刷のサンプルが顧客にアイデアを与え、テクスチャ効果に触れる機会を与えると言います。

図2: カラーインク社の加飾印刷サンプルショーケース
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次回は同ケーススタディの後半、感動を呼ぶ印刷物を作成する(2/2)で、「加飾印刷の多様な用途と機会」と「加飾印刷の導入」をどのように成功裏に進めたのか、ご紹介致します。

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