イタリアのラベル印刷のリーダーGrafiche Polimar社がMGI JETvarnish 3D Web(ロールtoロール)に投資
2020-08-19 :MGIケーススタディ紹介(オリジナル記事2019年)
イタリアのラベル専業印刷業者がMGIの産業機器2D / 3D 部分UVニス&ホットフォイル用デジタル加飾機JETvarnish 3D Webのすべての可能性を明らかにする。
GRAFICHE POLIMAR社概要:
- イタリア トスカーナ州南部グロッセートにあるラベル印刷業者
- 印刷:オフセット機/デジタル印刷機
- 後処理:従来機/デジタル/スクリーン印刷
- 従業員65名
- MGI JETvarnish 3D Web 設置:2019年5月
- Polimar社のJETvarnish 3D Web(ロールtoロール)加飾機用途:
- ラベル (ワイン/オリーブオイル/食品)
「私たちは繁忙期の需要にも確実に対処できるようにしたいと思っています。中期的な目標は、効率化が進んでいないラベル印刷業者に増強した生産能力を提供して新しい仕事を獲得することです。そして、適切であれば、合併と買収を検討したいと思っています。」
Grafiche Polimar社、グロッセート
トスカーナは素晴らしいワインの国として広く知られています。シエナとティレニア海岸の間のエリアには、ボルゲリサッシカイアからブルネッロディモンタルチーノまで、モレリーノディスカンサーノからモンテクッコまで、最も有名なワインがいくつかあります。特にグロッセートは、透き通った海を見渡す素晴らしいブドウ畑の宝箱です。すべてがワインとゆっくりとした楽しいライフスタイルを中心に展開しています。
インクとタイポグラフィに並々ならぬ情熱を持つ、才能にあふれたビジネスマンのアド ボルジ氏が1970年代にGrafiche Polimar社を設立したのはこの地グロッセートです。
「自分の人生で貯蓄した資金を印刷に投資することを決心したとき、私は現在のトレンドを理解しようとしました。そして連続フォーム印刷が有望なビジネスのように思えました。」
かくしてPolimar社は、真新しい2色オフセット機Timson T24 輪転印刷機を装備して印刷の世界に参入しました。同機は優れた見当合わせ機能を備えていて、2ステップで完璧な4色印刷も可能でした。
Polimar社の最先端テクノロジーへの取り組みは、今日に至るまで続いています。
2019年5月に、同社はイタリアで初めてJETvarnish 3D Webを使用する会社となりました。
— MGIのデジタル部分ニスコートおよび箔押し(およびダイカット)Webプレスは、現在コニカミノルタの「インダストリアル」テクノロジーソリューションのポートフォリオに統合されています。
粘着ラベル業界の異端児とMGIのデジタル加飾機の出会いが、素晴らしい可能性を探索するどんなに良い機会となったか見てみましょう。
商業印刷からラベル印刷に
1980年代に、インラインフレキソモジュールを搭載した2台の新しい4色輪転印刷機Roland Web Print 39が導入され、Polimar社の生産能力は拡大しました。
しかし、いくつかの雲が地平線に迫り先行きが不透明になったため、より多くのインクを載せた高品質の印刷製造に非常に適していた彼のナローウェブの印刷機に、ボルジ氏は新しい用途、ラベル印刷を構想し始めました。
Polimar社の優れたプリプレスおよびオフセット印刷技術により、審美的な観点からも優れた結果を得ることができました。 しかし、同社には仕上げと加飾能力がないことから、ラベル印刷の世界に参入したいという同社の願望は先延ばしとなりました。
しかしすぐにこれらの不足部分は埋められ、小さな印刷会社はロータリーダイ、箔押しライン、スクリーン印刷機、制御テーブルが並ぶ製造工場に変わりました。
「私たちの地域の大部分は農業地帯です。 ここでは、イタリアで最も重要なワインのいくつかが生産されています。 近年では、イタリア人、ドイツ人、フランス人、スイス人など、ますます多くの起業家がこれらの地域でブドウ畑を購入しています、とボルジ氏は説明します。
「彼らのワイナリーでは、高い価格を厭わない顧客向けに長い熟成期間のワインを生産しています。 そのボトルを装飾するときが来たら、スキルとテクノロジーを持った私たちの出番です。」
Polimar社は特定のタイプの顧客と製品向けに、ほとんどの場合数千個単位で加飾が施される品質の高いラベル印刷の仕事を提供しています。
デジタルによる画期的な進歩
2000年代初頭、市場状況の急速な変化に対応するため、ボルジ氏は工程のデジタル化に力を入れるようになりました。
「それまでの平均的な印刷工程は通用しなくなり、版下作成時間とやれを削減しプロセスをより効率的にすることを余儀なくされました。 通常は30万枚〜40万枚のラベルを注文する顧客でさえ、バイヤーに提示するために、またはヴィーニタリーショー(イタリアで開催される世界的なワインショー)に持ち込むために、極小ロットや限定版を要求し始めたのです。」
同社でのデジタル印刷は、2007年にキヤノンの枚葉機で始まりました。 2008年にHP Indigo WS4600が追加され、2017年にWS6900に置き換えられました。 そして、近年では、コニカミノルタの枚葉システムにも投資を行っています。
デジタルサービスを拡充したことで、Polimar社は、ますます多様化し細分化された地元のワイナリーと、最も有名なラベルデザイナーの両方からの需要を満たすことができるようになりました。特に過去10年間は、カスタマイズと特殊効果の追加に対する需要が高まっています。
「お客様は有名ブランドやワインショップの店員が推奨したワインを購入することもありますが、ボトルの購入は、購入者の嗜好や年齢、個人的または宣伝的な消費のダイナミクスに大きく関係しています。
この時にはラベルが呼び起こす感情が、購入の引き金になることがあります」とボルジ氏は説明します。 そして、周りを見回すと、彼の言わんとしている意味が容易にわかります。
Polimar社のオーナーのオフィスには、とても魅力的で人目を惹く、あらゆる種類の装飾が施された素晴らしいラベルがたくさんあります。
加飾印刷でさえデジタルになる
ボルジ氏は、ラベル加飾の先駆者と言えます。 20年前、既に彼の小さなラベル工場では印刷用のシルク印刷技術、箔用のニスを塗布するためのフレキソ印刷技術、および社内で開発された化学物質を使い、厚盛ニスと金属箔を組み合わせていました。
「これは私たちが発明したプロセスですが、特許を取得することはありませんでした。これにより、今までにない高度な装飾を施したラベルの小ロット生産を行っていました。」Polimar社は常に新しいプロセスと新しいテクノロジーを使ったアプローチで、これらの装飾を洗練させ続けました。
ボルジ氏がLabelexpo 2017でコニカミノルタとMGIを見たとき、それは一目ぼれでした。 「JETvarnishが従来の箔を置き換える必要はないと思います」とボルジ氏は説明します。
「デジタル加飾は、ラベル全体をカバーするものではなく、非常に細かいディテールを強調するために使われ、また昨日まで不可能または経済的に持続可能でなかったプロジェクトを実現するものです。」
グローバル市場、トレーサビリティ及び数量の課題
完全にデジタル化されたワークフローは、単に制作をより効率的にするためのソリューションを提供するだけではありません。実際、既知のプロセスでMGIプラットフォームのパフォーマンスをテストすることに加えて、Polimar社は、その可能性を十分に活用できる条件を見出すために顧客や設計者と対話しています。
イタリアの多くのワイナリーでは、ワインを輸出する際にラベルのテキストや記号を変更したり、目的地の市場ごとに特定のグラフィックスを作成したりする必要があります。
また、ワイン業界では、レストランやホテルチェーンなどを含めた新しい流通経路を使用することが増えており、ワイン製品を宣伝およびマーケティング材料として扱うこともあります。
もう1つの注目すべきトピックは、デジタル印刷の技術とフィニッシング技術を組み合わせたブロックチェーン使用による製品のトレーサビリティです。
「パーソナライゼーションや可変データがこれまでトレンドになったことはありません」とボルジ氏は説明します。
「一方で、世界中の顧客の好みや要求に応えるためには、今日のワイナリーには広範なカタログが必要であり、妥協のないラベルで迅速に市場に届けなければなりません。」
ボルジ氏の最後の課題は数量です。JETvarnish3D Webなどの主要な投資を迅速に返済し、この完全なデジタルモデルの生産数を適正化する方法が課題です。
「現在のニーズでは、MGIマシンはまだ大きすぎます。 しかし私たちは繁忙期の需要にも確実に対処できるようにしたいと思っています。中期的な目標は、効率化が進んでいないラベル印刷業者に増強した生産能力を提供して新しい仕事を獲得することです。そして、適切であれば、合併と買収を検討したいと思っています。」
Polimar社の創設者&CEOであるアド ボルジ氏はこう言っています。「通常は30万枚〜40万枚のラベルを注文するお客様でさえ、バイヤーに提示するために、またはヴィーニタリーショーに持ち込むために、極小ロットや限定版を要求し始めているのです」
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For more info http://www.mgi-fr.com