イスラエルHeret社記事その2:Heret社がデジタル加飾に投資した理由
2020-07-11 :ユーザー訪問記事
イスラエルの高級パッケージスペシャリストHeret社はパッケージ印刷のデジタル化を積極的に進めており、HP 30000を世界で最初に導入した会社の一つでもあります。同社は2014年にデジタル加飾機MGI JETvarnish 3D B2に投資しました。同社がデジタル加飾機に投資した理由とその投資の結果がインタビューにより明らかになりました。
1.デジタル加飾への投資理由
★市場の課題
- イスラエルは市場が小さく数量も減少傾向で、小ロット対応が利益確保のキイだった。
- 商業印刷業者がパッケージ印刷市場に参入してきて競争激化。価格も下がってきていた。
- ブランドオーナーのセキュリティ懸念=化粧品等ラグジュアリー製品では裏市場で模造・偽造パッケージが出回る心配。
- ブランドオーナーは顧客との繋がり強化のためE-コマースと連携したパーソナライゼーションを求めていた。
★投資合理性
- 競合他社が提供できないサービスを提供し市場でユニークな存在となる。
- 品質改善、納期短縮により販売単価を上げたい。
- VDP、メタリック、セキュリティホログラム等新たなサービスを提供したい。
- 試作バリエーションの自由度を高め、試作時間を短縮することで代理店、ブランドオーナーとの関係を強化し販売機会の拡大を図りたい。
2.従来技術での部分ニス・箔押し問題点
- 標準的な化粧品包装箱製造時の箔版コスト=5,000 Shekels (約15万円)
- 通常は複数の箔版が必要
- 保管庫から正しい箔版を探すのに3時間以上かかる場合も。
- 季節商品のパッケージでは平均通し数が5,000程度のこともある。(採算点は10,000通し)
- デジタル印刷物の位置ずれに正確に対応できず、ヤレが多く発生。
- 従来の後加工機ではB2/20×29以下のサイズが処理できない。
- 設備の運転年数が経つにつれ、運転コストが上がってきた。
- 顧客自身が成果物の差別化を求め始めた。
3.MGI製品導入により問題を解決した
- スクリーンや箔版作成コストが不要になった。
- デジタル処理により1~10,000通しでも採算が採れるようになった。(10,000シート以上のジョブはVDPが必要でなければ従来方法で処理している)。
- ボリュームが小さければ小さいほど利益率が向上。
- 利益率のスイートスポットは;1,500~2,000シート
- 後加工の品質向上
- HP 30000印刷物への位置合わせ精度が向上。
- 運転コストを大幅に削減。
- MGI製品でしかできない新たなサービス(複数試作品・小ロット・短納期・差別化・高付加価値)を提供することにより販売単価がアップ。
4.MGIデジタルフィニシングがもたらした成果
- “競合他社ができない製品を製造したい、他社が提供できないサービスを提供したい。詰まる所、自分らが製造している印刷物は唯一、我々にしかできないんだという自負を持てるようになった。”
- “MGIのデジタル活用フィニシング処理は競合との大きな差別化となる。”
- “HP 30000⇒MGI JETvarnish 3D & iFOILシステムへシームレスに処理可能。” (MGI製品はオフラインなので、オフセット印刷とデジタル印刷両方に対応できる利点もある。)
- “MGI製品により顧客に複数の試作品の中から最適なデザイン・コンセプトを選択する機会を提供できるようになり、顧客がより単価の高いものを選ぶチャンスも増えた-これにより我々の利益も増大した。”
- “MGIスポットUVコーティング機は我々の持つ従来機よりディテールの再現性、品質が良好。デジタル箔押し機(iFOIL)は従来機より先鋭度が高く、品質も良好。”
- “我々が持つ従来機によるエンボス箔加工はコストが掛かる2ステップ処理(エンボス加工と箔押し)を必要としたが、MGIの機械はより高品質の処理をワンステップでできるようになり大幅なコストダウンが可能となった。箔押しのための箔版は平均で 5,000 shekels (約16万円)も掛かっていたが、このコストは顧客に転嫁するのは難しかった。”
- ブランドオーナーに対してのアピール: “デジタル印刷およびデジタル加飾では、あなたがたが制作したいと思う成果物に関して何ら制限はありません。”
- パッケージプリンタおよびコンバーターに対してのアピール:“デジタルは正に未来を拓く”。 (Yarden Ben-Dor/ Executive VP)
For more info http://www.mgi-fr.com